(20)自由診療における限定解除(個別具体例 1/4)通常必要とされる治療等の内容 - 医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書

(20)自由診療における限定解除(個別具体例 1/4)通常必要とされる治療等の内容

自由診療を広告する場合は以下の項目を追加記載する必要があります。

  • 通常の治療内容

  • 治療期間と回数

  • 標準的な費用

  • 主なリスクや副作用

事例(20)-1では「通常の治療内容」について具体的な記載例を示しています。

問診・診察・検査・処置・注射・点滴・手術・薬の処方・通院・入院などについて、患者さんが治療の概要を掴めるような記載が求められています。

全事例の解説記事はこちら↓
2023年|医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第2版)を全解説

(20)自由診療における限定解除(全体概要) - 医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書

(20)自由診療における限定解除(全体概要)

限定解除とは

医療広告では広告可能事項が15項目に限定されており、原則としてこれら以外の内容は広告できません。

ただし一定の要件を満たすことで15項目に"限定"されていた制限が"解除"される例外ルールがあり、このことを"限定解除"と言います。

限定解除するためには以下の要件を満たす必要があります。

  • 医療に関する適切な選択に資する情報であること

  • 患者が自ら求めて入手する情報を表示する広告であること

  • 問い合わせ先を記載すること

自由診療を広告する場合は以下の項目を追加記載する必要があります。

  • 通常の治療内容

  • 治療期間と回数

  • 標準的な費用

  • 主なリスクや副作用

更に自由診療の場合は以下の記載も推奨します。理由は事例17で簡単に触れました。

全事例の解説記事はこちら↓
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(19)「専門外来」「診療科名」「専門性資格」「手術件数」「新聞や雑誌等で紹介された旨」における限定解除 - 医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書

(19)「専門外来」「診療科名」「専門性資格」「手術件数」「新聞や雑誌等で紹介された旨」における限定解除

この事例(19)は保険診療メインの先生にとって最も有益な事例だと思います。勘違いが多く見られるルールでもあります。

次に挙げる事項は原則広告できませんが、限定解除要件を満たせば広告できるようになります。

  • 専門外来

  • 法令上根拠のない診療科名

  • 広告可能事項に含まれない専門医

  • 認定医、指導医

  • 医師個人の手術実績

  • メディア掲載情報

医療機関のウェブサイトなら問い合わせ先を記載すれば限定解除要件を満たせます。

ただし、虚偽・誇大広告や比較優良広告などに該当する内容は禁止されています。

全事例の解説記事はこちら↓
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(18)医療従事者の専門性資格 - 医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書

(18)医療従事者の専門性資格

広告できる専門医資格は原則以下の通りです。

広告できる専門医資格

  • 医師 56資格(学会認定)

  • 医師 19資格(機構認定)

  • 歯科医師 5資格(学会認定)

  • 歯科医師 5資格(機構認定)

学会認定のリスト
https://www.mhlw.go.jp/content/000927800.pdf

日本専門医機構認定

日本歯科専門医機構認定

以上の学会・機構認定専門医はチラシ・屋外看板・CM・ウェブサイトなど幅広く広告できます。

広告する際には、

  • 氏名

  • 資格名

  • 認定団体

を明記する必要があります。
医療広告ガイドライン 第4-4-(9)-イ-①Q&A 3-5より)

限定解除要件を満たしたウェブサイトではこれら以外の専門医、認定医、指導医も広告できるようになります。
事例19より)

ただし、広告主である医療関係者が実質運営している団体や、活動実態のない団体の資格は誇大広告として取り扱われるます。
医療広告ガイドライン 第3-1-(3)より)

全事例の解説記事はこちら↓
2023年|医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第2版)を全解説

(17)治療の方法 - 医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書

(17)治療の方法

自由診療を広告する際には、次の①と②③では異なる併記ルールが適用されます。

①広告可能事項に該当する自由診療について、広告可能な内容を広告する場合の併記事項

②広告可能事項に該当する自由診療について、広告可能ではない内容を広告する場合の併記事項
③広告可能事項に該当しない自由診療について広告する場合の併記事項

  • 通常の治療内容

  • 治療期間と回数

  • 標準的な費用

  • 主なリスクや副作用

①〜③のどれに該当するか不明な場合、ウェブサイトでは全て併記しておけば問題ありません。

もし詳細に知りたい方はこちらで解説しています↓
2022年|入門 - 医療広告ガイドラインの全体像を解説 - 広告可能事項 - 自由診療

labcoat.jp

全事例の解説記事はこちら↓
2023年|医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第2版)を全解説

(16)複数のビフォーアフター写真(省令禁止事項) - 医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書

(16)複数のビフォーアフター写真(省令禁止事項)

ビフォーアフター写真を掲載する際には、症例1つ1つに次の情報を併記する必要があります。

  • 治療内容

  • 治療期間と回数

  • 標準的な費用

  • 主なリスクと副作用

自由診療における限定解除要件と重なりますが、限定解除要件は治療メニューに対して、ビフォーアフターの併記事項は症例ごとに記載する必要があります。

医療広告としてのビフォーアフター写真を掲載する詳細なルールは、こちらの記事にまとめました。

ビフォーアフター写真の解説記事はこちら↓
ビフォーアフター写真を掲載する3つのルール|医療広告ガイドラインより

labcoat.jp

全事例の解説記事はこちら↓
2023年|医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第2版)を全解説

(15)ビフォーアフター写真(省令禁止事項) - 医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書

(15)ビフォーアフター写真(省令禁止事項)

医療広告規制では原則として治療効果は広告可能ではないため、ビフォーアフター写真の広告は禁止されています。ただし、例外的に次の3つのルールを守ることで掲載できるようになります。

ルール1:限定解除要件を満たす
ルール2:写真の加工・修正・術前術後で条件の異なる撮影を行わない
ルール3:症例ごとに治療内容、治療期間と回数、標準的な費用、リスクと副作用を記載する

ルール1:

限定解除要件を満たすことで、広告可能事項ではないビフォーアフター写真も広告できるようになります。

医療広告の限定解除チェック

要件を満たせる媒体:

要件を満たせない媒体:

  • チラシ

  • 屋外看板

  • CM

  • バナー広告

医療広告ガイドライン 第3-1-(7)より)

ルール2:

写真を都合よく加工や修正等することは虚偽広告や誇大広告に該当し、禁止されています。
医療広告ガイドライン 第3-1-(1)第3-1-(3)より)

ルール3:

症例1つ1つに次の事項を併記する必要があります。

  • 治療内容

  • 治療期間と回数

  • 標準的な費用

  • 主なリスクと副作用

医療広告ガイドライン 第3-1-(7)より)

この併記事項はルール1の限定解除要件と重なりますが、限定解除要件は治療メニューに対して、ビフォーアフターの併記事項は症例ごとに記載する必要があります。

ビフォーアフター写真の解説記事はこちら↓
ビフォーアフター写真を掲載する3つのルール|医療広告ガイドラインより

labcoat.jp

全事例の解説記事はこちら↓
2023年|医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第2版)を全解説